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コオーディネーショントレーニンング 講演会 その3~徳島大学荒木教授から学ぶ~

荒木英夫徳島大学大学院教授

12月21日(土)に当麻町にて行われました、コオーディネーショントレーニングのスキルアップセミナーに参加してきました。
その中の、JACOT副理事、徳島大学大学院教授の荒木先生のお話が面白かったので、お伝えします。今回は、その3「能力は高さではなく、組み合わせ方」についてお伝えします。

co-ordination
1 作用・機能の調整, 一致
2 諸筋肉運動の協同【プログレッシブ英和中辞典】

コオーディネーション能力とは、端的に言いますと、【調整する力】であり【身のこなし】のことです。
そしてコーディネーショントレーニングとは、それぞれの人が今現在もつ感覚や能力を組み合わせて、より行動能力をレベルアップさせようとするトレーニングのことです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

まず、荒木先生が話してくれたことは、人間には、「能力を伸ばすには、伸ばすべき時期がある」ということです。

 言葉は、8歳を越えるとなかなか覚えられなくなります。どんなに刺激をしても覚えづらくなります。狼少女って有名ですよね。同じような例が内戦の激しいアフリカで起こっています。ジャングルに逃げた子どもが、15歳、16歳くらいになって保護されて言葉を覚えようったって、なかなかうまくいかないんです。たとえ単語を覚えても、文脈や論理的に話すのが難しいんです。臨界期を越えているんです。スポーツ選手だって、30歳くらいで引退するケースが多いですよね。

 反対に、高齢期では、反応速度とかそういうものは遅れてきますけれども、
経験によって「物事の全体を見渡す能力」は伸びてきます。

 従って、人間は何かの能力が落ちても、何かの能力が伸びてくるのです。
「死の直前まで何かの能力が伸びていく」のです。


 なるほど。
 歳をとれば、筋力等の諸能力は低下していきます。しかし、全ての能力が低下するのではなく、それに代わるべく、新たな能力が伸びていくのですね。
 荒木先生の話は、その理由について…
 
 それはなぜか?
 私たちの材料は決まっています。どうあがいたって目は二つしかありません。指を20本にしたいったってそういうわけにはいきません。
 つまり(様々な本来持っている能力を)組み合わせる能力、つまりコーディネーションの力が大切なんです。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 講演の内容は、「コーディネーションの力を高めるにはどうしたらよいのか?」という話に変わります。キーワードは3つ、「動作課題」「近くから遠くへ」「すべての運動は体幹から始まる」ということです。

 (運動の)ドリルなどを行うとき、いくつかのことを覚えておいてください。全然、効果が違ってきますから。

 まずは「動作課題」ということなんです。
何事も、ある目的を意識させると、脳は複雑に活動するということです。
例えば、垂直跳びをするとします。ただ垂直跳びをさせるとの、高い所にボタンがあって、「そのボタンを押しましょう」と言うのでは全然違います。
 火事場の馬鹿力ってありますよね。あれは、神経の話なんです。子どもがピンチ!ってとき、全身の筋肉は全く変わらないのに、すばらしい身のこなしで助けてしまう。だから火事場の馬鹿力ではなく、「火事場の高度な神経系」なんですね。


 例に挙げられている垂直跳び、「垂直跳び」をするという課題と、「高い所にあるボタンを押す」という課題では、後者のほうが脳神経においては、広範囲の情報処理を伴うそうです。実際に見える動きはたとえ同じであっても、子どもの中で起こっていることは違うということです。

 2つ目は、「自分の手の届く範囲から始めましょう」ということです。ボールを投げる能力を高めたいなら、いきなり「投げる」ではないのです。自分でボールをいじることからなんです。

 3番目なんですが、例えばボールを「投げられる」「投げられない」という判断ではなく、手先足先を後回しにして、「体幹の動きがあるかどうかを見て下さい」ということです。ドッジボールをする時に、低学年の子はたいてい「胸」でとります。そして次第に「手」とるように変わっていきます。ここで分かれ道があります。能力の高い子は、手よりも先に体幹が先に動き始めます。


 「全ての運動は、体幹から始まる」のだそうです。例えば投動作において、手が動くのは、肘が動くから。肘が動くのは肩が動くから。
 そして肩が動くのは体幹が動くからです。
 反対に言えば、体幹を自在に動かすことができること子こそ、運動指導の始まりということです。

 ちなみに、コーディネーショントレーニングのプログラムには、「くの字運動」「Sの字運動」「ラディアン」等がありますが、これは全部体幹に対するものです。
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 上記の運動の資料が必要な方は、akkinerner@gmail.comまで連絡してください。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 「動作課題」「近くから遠くへ」「すべての運動は体幹から始まる」という観点、子どもへ体育指導をしている時に、あまり意識していない部分でした。荒木先生の話を聞いていると、まだまだ指導力向上のために学ばなくてはならないことがたくさんあると感じました。

 次回は、番外編、「山形昇平の荒木先生への質問」ということで、僕は荒木先生に直接訪ねた内容をお伝えしていこうと思います。
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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