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悔しさは、未来からの贈り物



 附属札幌小学校平成26年度 学校便り 14号を再編集し、再発行しています。

 通知表を配る時期ですね。今、作成している先生もいることでしょう。

 通知表をもらうとき、子どもはそれを「ゴール」と捉えているのでしょうか?
 それとも、「スタート」と考えているのでしょうか?

 よいときはともかく、「思い通りにならなかった」時こそ、子どもたちの背中を上手に押してあげたいものです。

 未来の扉を開く鍵は、いつも子どもたちのポケットに入っているのですから。

 では、本文をどうぞ。





附属札幌小学校平成26年度 学校便り 14号
悔しさは、未来からの贈り物

通知表を見て相談

 通知表が配付されました。担任の先生からの言葉はいかがでしたか。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 突然ですが、想像して下さい。

 あなたのお子さんは、逆上がりができません。
 逆上がりではなく「難しい計算」「人前で話す事」などと想像してもよいでしょう。

 お子さんは、練習をはじめました。

 1日目、できませんでした。

 この時、どうするでしょう。
 あなたのお子さんです。きっと「また明日がんばる」と思うことでしょう。

 挑戦が続いたとします。

 2日目、だめでした。

 3日目、またできません。

 …100日目 残念、やっぱりできませんでした。

 さあこの時、子どもの目の前には二つの道が表れます。それは「やめる」と「もう一度」の道です。

 やめる理由は多々あります。「逆上がりは何の役にもたたない」と考える事もできますし、「どうせ一生できない。ならば時間の無駄だ」と考えることもできます。どちらも間違いではありません。

 でも、子どもたちにはどんなときも「もう一度」の道を選んでほしいと願っています。



「馴染めない」 「授業についていけない」 「楽しみが無い」



 
 大学や専門学校中退者アンケート、理由の欄から引きました。多くの学生は、上のような理由で学校を離れていくのです。

 高校・大学入学まもなく辞めてしまう若者が増えているそうです。研究機関によると、年間11万人以上が大学や専門学校を中退しているそうです。

 思い通りにならない時、人は悔しさを覚え、その苦しみから逃れようとします。

 しかしこう考える事もできます。

「悔しさそのものに大切な役割があるかもしれない」

 というように。


 不世出のエース、稲尾和久さんは新人時代のキャンプで連日、打撃投手をさせられた。同期はブルペンで練習しているのに自分は先輩から打ちやすい球を投げろと怒られ続け、みじめだった。
【読売新聞 編集手帳から】




 ちなみに稲尾さんは、年間42勝のプロ記録をもつ投手です。でも最初は先輩から「手動式練習機」と呼ばれる辛い時期を過ごしました。

「毎日こんなことさせやがって!と怒っていたらそれで終わってた」と後に述懐しているように、この悔しさが正確にコースを投げ分ける比類なき制球力を生み出しました。

 失敗は人に、悔しさというメッセージを伝えます。

 このメッセージは、成功し、力が身に付くまで決して途切れることありません。

 まるで「必要な事だよ!がんばりなさい」と励ましてくれているように…

 繰り返し、何度でも何度でも。

 そう考えれば、悔しさは、大切な贈り物のように思えてきます。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 再び想像して下さい。「100日うまくいかなかったお子さん」が目の前にいます。

 どう背中を押しますか?

意味が無いとただ決めつけて 扉閉めてるんだ
見えない様 聞こえない様にしてるだけ
明日何が出来るかなんて 君が決めるだけ
恐れずに次の一歩 ほら 踏み出せ 

【GReeeeN 扉から】

 この時、お子さんはGReeeeNの詩の様に、躊躇と逡巡で足が止まっているはず。

 さあ、ここが教師や親の腕の見せ所。

 勇気湧く力強い言葉で激励してもいい。先輩として経験を語るのもよいでしょう。その一言が、一歩を生みだす力となるはず。

 そしてあなたのお子さんなら、あとは一人で進めるはずです。

君の扉を開ける鍵は いつも君のポケットの中
今開けば ほら目の前に きっと待ってる「次の自分」が


 通知表が配付されました。担任の心を込めた言葉の一つ一つが、お子さんの次の一歩につながることを祈っています。

 そしていつか、人生を振り返った時、あの悔しさは未来からの贈り物だったことに気づきますように。
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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