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組体操・組立体操は変われるか?~体育科教育5月号から学ぶ~

組体操

 大修館書店の「体育科教育」平成28年5月号は、今話題全国で話題となっている組体操の特集です。

 道外はまだ先の話でしょうが、北海道は春に運動会が行われる場合が多いと思います。

 運動会に「組体操」を行う予定の学校のみなさんは、是非読んだ方がよいと思います。

 また、それぞれの分野の方が、熱く語っている内容ですので、「体育とは」「教育とは」「学校とは」と考えさせられる内容です。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 では、気になったコメントを抜粋します。

 共感された方は、是非、ご購入をお勧めします。



【 巻頭エッセイから 】

 考えるべき課題は、子どもの安全と指導内容の「バランス」である。いくら教育効果があるとしても、大きな事故が頻発するようであれば問題である。
 しかし、事故のリスクを気遣うあまり、全てを排除していたのでは教育という営みは成り立たない。

(日本女子大学教授 坂田仰)




 「これまでやってきたんだから」「隣の学校がやめたからやめる」ではないということですね。各校が自らのこととして、勇気をもって決断することが求められているようです。




【 編集部の視点から 】

 子どもの安全は何よりも優先されなければならない。その意味で、難易度や巨大さを兄に追求する実践には問題がある。しかし、だからといって、組立体操そのものを全否定する主張や、行政による一律の規制にはどこか釈然としない。危ないという議論だけでは教育実践の思考停止と責任逃れをまねく。
 組立体操という体操文化はこのまま衰退し、消え去ることになるのか。

(体育科教育 編集部)




 メディアからの批判、行政からの指導はますます強まる事でしょう。実際、死亡事故、障害の残る事故が起きているのも事実です。


組体操2



【 組立体操の歴史と教育的価値 ~濱田靖一の思想に学ぶから 】

 まず読者に伝えたいのは「組体操」と「組立体操」は性格もねらいも異なるということである。
(日本体育大学教授 荒木達雄)




 たぶん、多くの方が気にもしたことがないのでしょうね。
 濱田靖一教授の著書を是非読んでみて下さい。近々ファンタイムでも、特集していこうと思っています。




【 組体操・組立体操リスクの「見える化」活動から 】

 組体操は確かに「一体感」や「感動」を得られるという教育的意義はある。他方で、今日の組体操は組み方がが巨大化・高層化していて、さらに組手が低年齢化している。もはや「一体感」や「感動」を得るには、あまりにリスクが大きいと言わざるを得ない。
(名古屋大学準教授 内田良)



 「教育という病」の著者内田准教授です。なにかと話題の方ですよね。
 一方、我々が見過ごしがちな「死角」にスポットライトを当てているわけですから、知らんぷりはできないでしょう。

組体操4



【 組体操の呪縛からの解放から 】

 学校現場からの要望の声が高いようであれば、組体操を学習指導要領の中に入れるべきか検討するじきにきているのではないでしょうか。文科省の指導下で、安全で楽しい組体操の指導研究を組織的に進めることが重要です。
(静岡文化芸術大学教授 溝口紀子)



 バルセロナオリンピック女子柔道52kg級銀メダルリストの溝口教授のコメントです。指導要領の内容に組み入れられるかどうかはともかく、そういう議論にも発展しているのですね。
 学習指導料の範囲内で、運動会の組体操を披露したら、保護者は「何ていうのでしょう?」

組体操3



【 組立体操の巨大化・高層化の“謎”から 】

 教育委員会から「指導」された学校・教師は運動会や組立体操の価値や課題を「考えない」ようになり、鎌田氏が指摘する「教師としての専門職制の希薄化」が更に進行するだろう。学校や教師の「主体性」「自律性」がさらに弱められていしまったら、子どもたちへの教育力も衰弱していく。それは、子どもたちの「安全」を守っていく力の弱体化も招くだろう。子どもは、生きて成長している。その成長をしっかりと受けとめ、子どもたちを育て、土台としての安全を確かなものにしていくのは教師たちなのだ。
(和光大学非常勤講師 大貫耕一)



 この号で一番響いたのはこのコメントです。
 学校教職員全員が「管理人化」の現在の公立小学校です。この組体操論議が、それに拍車をかけてしまうのでしょうか?それとも教師がプライドを取り戻すのでしょうか?

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 ところで、体育科教育ではありませんが、「学研ジャーナル」にも組体操の記事が載っていたのでお伝えします。アメリカから見た視点です。



【 ニューヨーク直送便 TOMOKO先生の徒然レポートから 】

 私は運動会が好きだ。アメリカのフィールドデーにはない、晴れ晴れしさと和やかさと一体感がある。日本の学校のすばらしい伝統だと思う。「いい運動会だった」と誰もが思える物であってほしい。

(ニューヨー在住 補習授業校中高等部教師 小倉智子)



 アメリカにはいわゆる「運動会」はありません。フィールドデーというスポーツを楽しむ日はありますが、全校で軽いゲームを楽しむ程度のものだそうです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 最後に再び体育科教育から…



【 組体操の行方は から】

 昨年の秋、尼崎市のT小学校の6年生の組体操を見てきました。なんとミュージカル風で全員が主役になる組体操でした。
「be PROUD 誇りをもって」がテーマでしたが、運度が苦手な子も得意な子も、そして指揮台の先生も、みんなが自信に溢れた素敵な表情でした。ぜひ全国の先生方にも、誇りをもって取り組んでほしいと願っています。
 ここが教師の腕の見せ所なのですから。

(尼崎市教育委員 仲島正教)



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 運動会まであと1か月を切っている学校もあることでしょう。ご苦労様です。

 ところで、あなたの力を腕をふるうのはいつですか?

 もちろん…

 「今でしょう」

 あなたの学校と子どもたちの運動会にfunタイムを!
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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