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学校便り・学級便り「欲望を止める2つのブレーキ」



 附属札幌小学校 5年2組学級通信 68号を再編集し、再発行しています。

 人間だれしも、欲に負けてしまうものです。

 だからといって、欲は、進歩の大事な原動力です。

 大事なのは、それを上手にコントロールする力、つまり、ブレーキの性能が大事です。



 では、本文をどうぞ。








附属札幌小学校  5年2組学級通信 68号
欲望を止める2つのブレーキ






 さわやかな季節ですね。

 暑くもなく、寒くもなく、でも背中に感じる陽の光は心を温めてくれます。

 こんな日は、自転車に乗ってピューって走ったら気持ちいいでしょうね。

◆ ◇ ◆

 さて、道徳の学習で「見えた答案」という学習をしました。主人公の花子が友達のテストを思わず見てしまうという題材の話です。

 「いい点数を取りたい」「おいしいものが食べたい」「先生にほめられたい」「ゲームをいっぱいしたい」…子どもはたくさんの欲を胸に生きています。もちろん大人も…

 でも、多くの欲は胸に、できる範囲内での願いを叶えながら生きているものです。

 そんな時重要になってくるのが、人の心の中にある「欲のブレーキ」です。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



ウサ君は、急いでいました。どうしても見たいテレビの時間に遅れそうだったからです。

道を曲がったその時!遠くで小さな子が転んだのを目撃しました。

転んでいる女の子 

ウサ君は迷いました。でも…

さっと駆け寄って、起こしてあげました。

こんな時、さっと駆け寄って助けてあげるのが高学年らしい姿だと思ったからです。

女の子をなぐさめるウサ 

小さな子は、やさしいお兄ちゃんだなと思いました。

小さな子の顔を見ていると、ウサ君はとても誇らしい気持ちになりました。

「お母さんに話したら、きっと褒められるな」と思いました。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




トリ君は、急いでいました。どうしても見たいテレビの時間に遅れそうだったからです。

道を曲がったその時!遠くで小さな子が転んだのを目撃しました。

転んでいる女の子 

トリ君は迷いました。でも…

さっと駆け寄って、起こしてあげました。

とっても痛そうに見えたからです。「怪我していなきゃいいな」と思いました。

女の子を慰めるトリ 

小さな子は、やさしいお兄ちゃんだなと思いました。

小さな子の膝を見てみたら、ちょっと赤くなっていたけど、怪我はありませんでした。

トリ君は、「あぁよかった」と思いました。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 ウサ君も、トリ君も、「テレビを見たいから見過ごす」という気持ちにブレーキをかけることができました。

 でも、二人のブレーキの種類が違うのに気が付きましたか?

 ウサ君のブレーキは、自転車でいえば前ブレーキ「頭のブレーキ」です。

 トリ君のブレーキは、自転車でいえば後ブレーキ「心のブレーキ」です。



 「頭のブレーキ」は、比較的簡単に性能を高めることができます。

 漢字や計算を覚えるように、本を読んだり、話を聞いたり、理屈で覚えることができるからです。


 一方、性能を上げるのが難しいのは「心のブレーキ」です。

 これは、人とかかわり心を重ね合わせるうちに、少しずつ相手の感じを受け取っていくからです。

 失敗したり、けんかしたり、悩んだり、落ち込んだりする中で分かっていくこともあります。

 また、頭とは違い、一人ではなかなか性能は伸びません。


 ところが、万能ではないのが頭のブレーキです。

 頭の中で勝手な理由を付け加えることで、ブレーキが利かないようにすることができるからです。それは、結構自分勝手な理由でも、通じてしまいます。

 自転車の前ブレーキだけで坂道を降りようとしても、うまくスピードが落ちないばかりか、時には転んでしまうのと似ています。

 「心のブレーキ」は万能です。

 いつでも、欲にブレーキをかけてくれます。

 理屈ではなく、心をゆさぶったり、心をしめつけたりして、欲を止めてくれます。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 キミたちの欲のブレーキは、しっかりと性能を高めていますか?

 どっちがいいということはありません。

 どっちもないと困ります。

 いつ、どこで、ものすごい欲望と対面するかわかりません。

 その欲望の坂道で、自分の心にブレーキをかけるには、

 前のブレーキも、後ろのブレーキも十分な性能を誇っていてほしいものです。

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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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