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学校便り・学級便り「グサリと急所を刺す言葉」



 附属札幌小学校 4年2組学級通信 30号を再編集し、再発行しています。

「言葉は恐ろしい」

「たとえようもなくやさしい気持ちを伝えることの出来るのも言葉だが、

 相手の急所をグサリと刺して、

 生涯許せないと思わせる致命傷を与えるのも、また言葉である」

 放送作家の向田邦子さんの言葉です。

 学級では、言葉が源となって人間関係がうまくいかなかったり、

自分の気持ちを表す言葉が、すっと出てこなくて悩んだり、

言葉で泣いたり、悩んだりする子がいることでしょう。


 先生が国語の時間に教えるような、ありきたりのことじゃ解決できないけど、

 仲間との中で「失敗したな」「どうしたらいいんだろ」と日々磨かれた言葉こそが、

 実際世の中で、飯を食っていける言葉なんじゃないかなって思います。



 そんな気持ちを込めて書きました。では、本文をどうぞ。








附属札幌小学校  4年2組学級通信 68号
グサリと急所を刺す言葉






 今、総合的な学習では、友達とのかかわりを豊かにする方法を学ぶ単元「フレンズアップ」を行っています。

 子どもたちはいくつかの活動を通して、「相手との仲を良好に保ちつつ」それでいて、「自分の気持ちを伝える」方法を探っています。

 その中で、子どもたちは、言葉には、相手をうきうきさせる言葉と、相手の急所をグサリと刺す言葉があることに気づいていました。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

グサリと刺す言葉8



 ガタッ

 「あっ」

 そう思った時には、もうゴリ君のお気に入りのマンガは、

 倒れたココアで茶色くなっていた。

グサリと刺す言葉3  

 「何してんだお前!ふざけてんじゃねぇ」

 ゴリ君の口から思わず言葉が弾けていた。


グサリと刺す言葉7  

 「言い過ぎた」

 一人で家に帰る途中、何度も何度もゴリ君はそう思った。

 同時に、ウサ君の泣きそうな顔も思い出した。

 分かっている。分かっているんだよ。

 ゴリ君は、思う。

「何ていうべきだったのかな」


◆ ◇ ◆



 ガタッ

 「あっ」

 そう思った時には、もうウサ君のお気に入りのマンガは、

 倒れたココアで茶色くなっていた。

グサリと刺す言葉1 

 「気にしないでね…」

 ウサ君の口からはか細い声がもれた。

グサリと刺す言葉6 

 
 「また言えなかった」

 一人で家に帰る途中、何度も何度もウサ君はそう思った。

 いつもそうだ。言いたいことを言えたためしがない。

 分かっている。分かっているんだよ。

 ウサ君は、思う。

「何ていうべきだったのかな」



◆ ◇ ◆



 ガタッ

 「あっ」

 そう思った時には、もうトリ君のお気に入りのマンガは、

 倒れたココアで茶色くなっていた。

グサリと刺す言葉2 

 「大丈夫!」

 トリ君は慌てて駆け寄った。

 「ああ、ココア冷めててよかった。熱かったら火傷してたよ」

グサリと刺す言葉5 

 
 「マンガ汚れちゃったな」

 ウサ君と家に帰る途中、何度も何度もトリ君は思った。

 でも、

 隣ですまなそうな顔をしているウサ君が、一緒に歩いているのを見たら、

 そんなことどうでもいい気がしてきた。

 分かれ道、トリ君は言った。

「じゃあね、また明日、ウサ君!」


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 たった51文字のひらがなが、その意図を持って並んだ時「ことば」が生まれます。

 それと同時に、そのひらがなに「意味」が生まれます。

 言葉が、人の心を躍らせることもあれば、「グサリ」と急所を刺すこともあります。

 よき言葉を操れるようになるには、相手や仲間とのコミュニケーションの中で磨くしか方法がありません。

 つくづく学校って大事な場所だなぁと思います。

 肝に命じ、子どもの「言葉の成長」を支えていきます。


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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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