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学校便り・学級便り「言葉はただの入れ物だから」



 久しぶりに、学級便りを書いてみました。

 読む子どもはいないのですけどね。


 学級の子どもには、「がんばれに付け加える言葉が大事」とよく話します。

 「あと少しだよ、がんばれ」「がんばって、さっきよりよくなってきているよ」みたいにです。

 テレビの中のスポーツ選手に対して「がんばれ!」っていうのは別にして、

 学級の仲間に対して「がんばれ」で終わってしまうのは、ちょっと冷たい気がするからです。

 もちろん、本人が冷たいわけじゃないのはわかっています。

 でも、それを続けていくと、「がんばれ」が中身のない言葉に変わっていくような気がします。


 では、本文をどうぞ。








学級通信 未来号
言葉はただの入れ物だから







「がんばれ」っていう言葉を軽々しく言わない仲間になればいいと思っています。

「がんばる」とは、何かを達成しようとする時、我慢して、無理をしてやり通すということです。

 まるで雑巾のように、ギューッと、ギューッと絞って、そこから「もっと出せ」ってことです。

 何かを達成しようとする時、そのエネルギーは、「絞り出すもんじゃなくて、あふれ出すもの」がいいと思います。

 ましてや、それを他人が「もっと出せ」って命令するなんて、ちょっと冷たいなって思うのです。

 たいていの子の場合、「がんばれ!」って言ったら、「おう!」って応えてくれるんだけどね…

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


ゴリ君が泣いていた。
手には、くしゃくしゃになったテストが握られていた。

がんばれって軽々しく言わない

◆ ◇ ◆

ウサ君は「次、がんばれや」って言おうとした。

はげまそうと思ったのです。

がんばれって軽々しく言わない4

でも、何か違う気がした。

「…」

言葉にならなかった。

がんばれって軽々しく言わない3

帰り道、ウサ君は「何ていえばよかったのかな?」って思った。


◆ ◇ ◆


トリ君は「大丈夫?」って声をかけようとした。

はげましの言葉をかけたかった。

でも、思いつかなかった。

しかたなく隣に座ってみた。

がんばれって軽々しく言わない2

トリ君にはそれしかできないと思ったからだ。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


明らかにがんばっている子に、「がんばれ」って声かけてあげるのが必ずしも相手のためになってるとは限らないのです。

困ったななんて思いながら、こっそり見守っててあげる心の強さが欲しい。

そして、相手を本気で励ましたいなら、「何を言うか」ということに力を注ぐよりも、「どんな気持ちで言うか」ということに全神経を込めることの方が、ずっと大切だと思う。

心の無い言葉は、どんなに理にかなっていても、相手の心に届くことはない。

言葉はただの入れ物で、言葉に心がのせられてこそ、その力を発揮するものだから。

だから、気の利いたことを言おうと思って、頭を悩ませるくらいなら、

トリ君のように、じっと隣に座っていてあげたり、

なんてことない言葉でも「相手の目をしっかりと見て話す」ことに力を注いだ方がよっぽどいい。

◆ ◇ ◆

ウサ君とトリ君、2人は何も語れなかったけど、

きっとゴリ君の心には、また明日も前に進むエネルギーが、湧いてきているに違いないと思います。
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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