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20秒の寄り道をしよう

20秒の寄り道をしよう



本を読め勉強をしろ母が言う
ああうるさいなこの夏休み


東京都、中一の作品です。
親子の葛藤がよく見え、思わずニヤリとしてしまう短歌です。
 「わかっちゃいるけど…」、この母親のように余計なひと言を言ってしまう。日々反省しきりなのが親の常。

 そんな言葉を飲み込み、寄り道の子育てを呼びかけるのは元京北中・高等学校校長の川合正先生です。

 先生は「20秒の寄り道をしましょう」と会話を優先することを勧めています。子どもとゆっくりと寄り添ってみる時間を取ってみようというわけです。
「そうか、あれは寄り道だったか…」と思い当たる出来事が我が家にもありました。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 「オヤサイキライ ノコシテイイ?」

 これは食事の度に次女がしばしば言うセリフ。そして父と次女の会話は次のように進みます。

「タベタクナイ」      
「だぁめ、食べなさい」
「タベレナイ」          
「半分でいいから」


 それでも抵抗が続く場合、父は最終宣告をします。

「食べないなら、もうおやつはナシだぞ!!」

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 なおも抵抗を続ける次女を食卓に一人残し、長女と風呂に入ることに。
 残された時間は、二人が風呂から出るまでの時間。それまでに野菜を食べなければおやつはナシです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

「ねえお父さん、聴いてくれる?」

 突然、湯船に浸かる姉が歌い始めました。
 学校で練習している合唱曲だとか。

「もう一曲聴いてョ?」
1曲歌うと別の曲。姉のコンサートは続きます。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

姉が最後の曲を歌い上げ、ふとドアを見ると小さな人影、

「オヤサイゼンブタベタ オヤツタベテイイ?」

 やっと野菜を食べ終えた次女が立っていました。


 「普段は喧嘩ばかりなのになぁ」
 姉の想いなどつゆ知らず、おやつに笑顔満面の次女と、引きとめ作戦を成功させニヤリと笑う長女を見て思いました。長女の歌に付きあう寄り道はどうやら「姉妹の絆」に向かう近道だったようです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 学校は、子どもとのささやかな会話を大切にするコミュニティーでありたいものです。20秒の寄り道だけど、その道はもしかしたら理想の姿に続いているのかもしれないのだから。

 ところで、あの時に長女が歌っていたのが中山真理さん作曲の「あなたにありがとう」です。

あなたがいたから 元気でいられたんだね
いつも 励ましてくれてたからだね
どんな時も支えてもらったから
つらいこといやなこといつしか忘れてた
あなたにありがとう いつまでも だいじな宝物


(附属札幌小学校 平成26年度学校便り 2号から再発信)
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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