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お話の薬屋~本日は「新しい環境に馴染めずにいる方」に処方します

お話の薬屋5

 こんばんは、お話の薬屋です。あなたの心に効くお話を処方します。


 たいていの人はふとした時に、自分の人生の意味を考えてしまうものです。そして思いを巡らし、時には戸惑い、悩んでしまいます。


  一方…あなたの人生に力を与えてくれるメッセージは、お話となり世界中に存在しています。


 でも、それらのお話は、「真の力」を言葉という固い箱に閉じこめ、隠しているのです。


 あなたがもし人生の意味を知りたいと願い、話の偉大な力を得たいと思うのなら、心の底から「聞きたい!」という気持ちを抱いてください。きっと、箱の扉が開くことでしょう。


 そして、あなたは大いなる力をお話から受け取るのです。


 
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 さて、今日のお客さんがやってきたようですよ。


 スーツの着こなしからすると、まだまだ新人の会社勤めの若者でしょうか。


 ちょっとお疲れの様子です。足取りが重たいですね。




春から職場が変わりました。
仕事にも、同僚にもイマイチ馴染めていません。
想像していたのとちょっと違ったので、全然楽しくないんです。



 
 わかりました。あなたにはこんなお話を贈りましょう。


【 やごのジェロニモ 】


池

 「カエルのおじいさんはいったい、どこに行くんだろう?」


と、「やご」のジェロニモは不思議そうに言いました。

 カエルのおじいさんは、池の水面に浮きあがってはプイッと姿を消してしまいます。でも、いつの間にか水の中に戻ってきます。


 「きいてみたら?」


とメダカがいたずらっぽく答えました。


 ある日、ジェロニモは勇気を出しておじいさんに尋ねてみました。


 「この世界の外って、どういうところなんでしょう」とジェロニモはおずおず尋ねました。


 「どういうところかって…池の外には、まず乾いた土がある。あざやかな緑色の草が生えている草原は、キンポウゲやデージーの花盛りだ。青い空には、白い雲が漂い、陽の光がキラキラ輝いている」


 やごのジェロニモはうっとりしました。そしてカエルにまた尋ねました。


 「乾いた土ですって?泳げるんですか?」


 「馬鹿を言うんじゃない、泳げるものか!」とカエルはクスクス笑いました。


 「じゃあ土ってどういうものなのですか?」


 「うるさいやつだな。水の外に何があるか見たかったら、わしの背中に乗るがいい。池の外に連れて行ってあげよう。」ジェロニモの質問にうんざりしたカエルは、こう答えました。


 ジェロニモは大喜びでカエルの背中に乗り、出発しました。


 そして、池の水面にカエルのおじいさんとジェロニモが浮かび上がった途端!


 ジェロニモはよろけて水に落ちました。ジェロニモは息も絶え絶えとなり、水草の茎にしがみつき、ぶるぶると震えていました。


 「なんて恐ろしい所なんだろう、池の外って」ジェロニモは泣き声で言いました。


 「草だの、花だのってありもしない話を聞かせるなんてひどいじゃありませんか!」ジェロニモはかえるに訴えました。


 「ほら話なもんか、みんな本当の話だよ」


 カエルは続けます。「おまえは狭い池の中の世界しか知らない。だから池の外にあるものを信じる気になれないんだよ」そしてカエルは泳いで去ってしまいました。


 ◆ ◇ ◆


 それから何日もたちましたが、カエルはジェロニモの前に姿を表しませんでした。そして日がたつにつれ、ジェロニモは、自分が以前の自分と変わり始めていることに気づきました。


 不思議と体に力がみなぎり、目が輝き始めました。ジェロニモは、水草の茎に掴まって、もがきながら水面の方へと浮き上がりました。


 弟たちは心配そうに集まり、行かないでくれと兄に頼みました。


 「行かなきゃならないんだ、どうしても」


 「いつか、きっともどって、見てきたことを、残らず話して聞かせるよ」とジェロニモはあえぎながら答えました。


 ◆ ◇ ◆


 弟たちは、何日もジェロニモの帰りを待ちました。でも、いくら待ってもジェロニモは帰ってきませんでした。


 ジェロニモは弟たちのことを忘れてはいませんでした。でも、もう戻ることはできなかったのです。ジェロニモは今では輝く羽をもったトンボだったのです。


 ジェロニモは、その羽に陽の光を浴びて飛びまわり、キンポウゲやデージーの花の上をかすめ、青い空へと舞いあがりました。


花畑

 いつの日か、弟たちも池をあとにすることでしょう。そして、彼らもジェロニモと一緒に、思うように空を飛びまわることでしょう。


 

≪ 「深い知恵の話100」から ≫


 
◆ ◇ ◆

 「馴染めない」「ついていけない」「楽しみが無い」…そんな理由で、学校や会社をすぐに辞めてしまう若者がたくさんいるそうですね。


 思い通りにならない時、人は不安を覚え、その苦しみから逃れようとします。そしてそんな時、新しい世界から、もとの心地よい世界に戻りたくなるものです。


 不安や苦しみを感じること、それはヤゴからトンボへと変身する時期だからなのかもしれません。そして不安や苦しみは、新しいステージへとスタートをきったというあなたへのシグナルなのでしょう。


 いつしか、不安や苦しみが無くなり、新しい世界があたりまえだと思うようになる時期が来るはずです。トンボとなったジェロニモが、陽の光を受け、青空を飛びまわったように。ヤゴのままではけっして見ることの出来なかった世界を見る時が、きっとあなたにも来るはずです。


 【 やごのジェロニモ 】の話は、そんなメッセージをあなたに伝えています。このお話の薬が、あなたの心に効くことを願っています。


 それから…不安や苦しみを感じる時、あなたの身体と心はとても疲れています。しっかり食べて、しっかり眠ることを忘れずに。


 お大事に…


 
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 今日のお話が、あなたの旅路を慰め、力づけてくれますように。あなたの人生にFanタイムを!


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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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