FC2ブログ

記事一覧

叱り方研究所~子育てのグッドサイクルを生み出すダメ出し~ケース14「執着を断ちたい時の叱り方」

携帯ゲーム機

 
 あなたのお子さんは、携帯ゲームが大好きだとします。四六時中ゲームをしているので、他のすべきことがおろそかになるほどです。あなたは、ゲームを禁止することにしました。さて、どちらの叱り方がゲームに対する執着を減らすことができるでしょう。


 
①厳しく怒り、子どもが届かない戸棚にしまってカギをかける。



②携帯ゲームの悪い面を話して、あなたに渡させる。


 



 
 一般的に「叱るより褒めろ」と言われますね。


 しかしながら、一方で「叱る」べきだと感じる場面があるはずです。また時には、「叱る」方が子どもの成長につながる瞬間もあります。


 辞書によりますと…「叱る~よくない点を指摘して、強くとがめる」とあります。一方「褒める~優れていると評価して、そのことを言う、たたえる。」とあります。実はどちらも、相手の行為を規準と比べて、よくなるよう促す行為なんですね。方法は違えど、「子どもの成長をリクエストする」という目的は同じというわけです。


 そうであれば、お子さんの心情を理解し、上手に叱ってあげましょう。信頼感を失わず、しかも効果的に相手にこちらのリクエストを伝える。それこそが上手に叱るということです。


 
 さっそく、上の問題について解説します。あなたは、どっちを選びましたか?


 
◆ ◇ ◆


 一般的に、人は自分の「行動」とその結果生み出された「感情」に矛盾が起きないような状況を好むそうです。ですから、「行動と感情」の間に矛盾が起きた時は、自然と修正を施すそうです。


 イソップ寓話の『すっぱいぶどう』という話がありますね。


 「キツネがおいしそうなぶどうを見つける。食べようとして跳び上がるが、何度跳んでも届かず、キツネは怒って「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。」という話です。


 どうしても届かず食べられない【行動】とおいしそう!【感情】の間の矛盾を無くすため、おいしそう!という思いを「まずいはずだから、俺は食べたくないんだ!」という感情に修正してしまったというわけです。


 


 では、クイズの①と②では、どちらが矛盾を起こしているでしょうか?


 ①は、「ゲームがしたい」でも「取り上げられたからできなくなった」だから「ますますゲームしたい」というようにゲームに執着する感情が高まることに全く矛盾がありません。


 一方②は、「ゲームがしたい」のに「僕が渡したからできなくなった」という部分に、行動と感情のズレが生じてしまっています。だから、感情の修正が起こります。


 「渡したのは僕なんだから、僕はそれほどゲームが好きじゃないはずだ」という結論を導き出すのです。


 ですから、問題の答えは②です。ゲームに限らず「止めるべきだけど、止められない」ものがあるなら、その執着を減退させるためには、自ら断つことを促す叱り方を選んでください。


 


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 アメリカの心理学者フェスティンガー博士らによる有名な実験があるそうです。


 被験者に面白くない単純作業をさせます。そして、作業後に「楽しかった」かを問う実験です。実験は、2つのグループで行われました。1つは、謝金として20ドルをもらえるグループ、もう一方は、1ドルしかもらえないグループです。


 さて実験後のアンケートで作業が「楽しかった」と答える数が多かったのはどちらのグループだと思いますか?


 もうお分かりですね。矛盾が生じているのは1ドルグループです。「単純作業をしたのに、1ドルかよ!…でも意外と楽しかったから何にも損してないもんね!」という風に考えて無理やり自分を納得させたというわけです。


 
あなたの子育てにFunタイムを!



参考文献
「自分では気づかないココロの盲点」池谷裕二
「むずかしい子を育てるコモンセンス・ペアレンティング・トレーニングマニュアル」野口啓示
「脳には妙なクセがある 」池谷 裕二



   
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

ファンタイムへのアクセス数