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お話の薬屋~本日は「どちらの仕事を選ぶか悩んでいる方」に処方します

お話の薬屋13

 こんばんは、お話の薬屋です。あなたの心に効くお話を処方します。


 人はふとした時に、自身の人生の意味を考え深く考えることがあります。そして思いを巡らし、時には戸惑い、悩んでしまいます。


 そんな時に力を与えてくれるメッセージは、お話に姿を変え世界中に存在しています。
 しかしながら、それらのお話は、「真の力」を言葉という頑丈な箱に閉じこめ、そのパワーを隠しています。
 あなたがもし人生の意味を知りたいと願い、話の偉大な力を得たいと思うのなら、心の底から「聞きたい!」という気持ちを抱いてください。そうすれば、固い箱の扉が開くことでしょう。


 そして、あなたは大いなる力をお話から受け取るのです。


 
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 さあ、お客さんが久しぶりにやってきました。
 スーツがビシッときまっていますね。
 おや、でもずいぶんとお悩みの様子…
 では、話を聞いてみましょう。




二つの会社に誘われています。
それほどやってみたいことではないけど、条件がよい仕事
ずっとやってみたかったことだけど、条件がよくない仕事
どっちを選べばよいのでしょう。



 
 わかりました。あなたにはこんなお話を贈りましょう。


【 ほんものになる 】

木馬 

 革張りの木馬は子ども部屋のどのおもちゃより長生きでした。
 とても年を取っているからでしょう。茶色の革は所々剥げて、下の縫い目が目立っていましたし、尻尾の毛はビーズのネックレスをつくるために大部分が引き抜かれていました。


 木馬はとても賢くて、機械仕掛けのおもちゃが入れ替わり立ち替わり大きな顔をして現れてはゼンマイがこわれて、あっけなく捨てられるのを見てきました。どれもただのおもちゃに過ぎず、ほんものに生まれ変わるわけはないということを、木馬は知っていました。
 子ど部屋にはどうやら、とても不思議なすばらしい魔法がはたらいているようです。年を取って経験をつんだ、賢い者だけがそのことを知っているのでした。


 「ほんものって、どういうことですか?」とある日、ウサギが聞きました。
 ばあやさんが掃除にやってくるまえのこと、ウサギが木馬の前に寝そべっていた時のことでした。

 「ブンブンうなるものがおなかの中に入っていて、突き出ているハンドルを回すと、景気よくうなりだす…そういうことですか?」
 「ほんものというのは、仕組みじゃないんだよ」と木馬は答えました。
 「ある日、突然起こることなんだ」
 「子どもたちがただ遊び相手にするだけじゃなく、長い事、心から愛してくれると、ほんものになれるのさ」

 「ほんものになるには痛いお実をしなきゃならないんですか?」

 「ときにはね」と木馬は答えました。どんなときでも嘘は言わないことにしているのです。「だが、ほんもになったら痛みなんて気にならないんだよ」

 「ゼンマイを巻いたときみたいに、一時に起こるんですか?それとも少しずつ、起こるんでしょうか?」

 「一時に起こるといったものではないんだよ。」
 「まあ、いつの間にかそうなっていることなんだ。長い事かかってね。だから壊れやすいものはめったにほんものにならない。とがったものや、大切にしまっておかなくてはならないものも、ほんものになはならないだろう」


 「何かがほんものになるころには、大部分の毛が擦り切れ、目は取れて落ち、関節もがたがたになっているだろうよ。だが、そうしたことを気にするにはあたらない。ほんものになったら、醜いままでいるわけはないんだから。」

 「ほんもののわからないものには、醜く見えるかもしれないがね」


 「じゃあ、あなたはほんものなのですか?」
とうさぎは聞きましたが、すぐそんなことを言わなければよかったと後悔しました。木馬が気を悪くするんじゃないかと思ったからです。


 でも木馬はにっこり笑いました。


 「今の子どもたちの叔父さんが、わたしをほんものにしてくれたんだよ。何年も前のことだ。いったん、本物になったら、ほんものでなくなることはけっしてないんだよ。その時からほんものであり続けるのさ」


(M・ウイリアムズ「ビロードのうさぎ」から抜粋)


≪ 「深い知恵の話」(M・ウイリアムズ「ビロードのうさぎ」から抜粋)から ≫


 
◆ ◇ ◆


 仕事を選ぶのは人生において大きな選択ですね。
 この頃は転職が当たり前になってきていて、何度も職を変えながら自分のライフスタイルに合った仕事を目指すというやり方もあります。だとしたって、一定の期間の生活の大部分を費やすわけですから、大きな選択に変わりはありません。


 最終的に満足できる仕事とは、あなたの選んだ仕事が本物になるかどうかということだと思います。
 さて、あなたの目の前にある二つの仕事、どちらが機械仕掛けの音の出るおもちゃで、どちらが革張りの木馬、つまりほんものなのでしょうか。


 この「 ほんものになる 」のお話から分かることは…
 本物とは、厳しい環境に耐えて長持ちするものということです。


 世界各地で4000万本以上の木を植え 「本物の森づくり」を目指している現場主義の植物生態学者の言葉を引用します。


 宮脇昭横浜国立大学名誉教授の宮脇昭さんの言葉です。


 「ほんものは手がかからないのです」


 「人間のように動けない植物は、何があっても与えられた土地で生き延びていこうとします。そうでなければ、滅びてしまうから。文字通り、命をかけて生きようとするのです」


 森づくりを通じ知り得たこととして宮脇氏は「自然に耐えうるものこそほんもの」だと言います。
そうです。ほんものは元から「強い」ということです。
 逆境や苦境にさらされ、長い時間耐え抜いたものは「いずれも」ほんものになり得るようなのです。


 そうなると、逆境や苦境といった厳しい環境というのは、あなたにとってその仕事がほんものになり得るかどうかを見極める試金石ととらえることができると思います。


 ですから…
 普段は何かを選択するとき、「よさ」に目を向けて選ぶと思います。しかし、あなたにとってのほんものの仕事を見つけるのであれば、その仕事の「逆境や苦境」に目を向け、そのストレスにできるだけ長く付き合える方を選んでほしいものです。


 人によって得意なストレス分野は異なるでしょう。肉体的な辛さに耐えることのできる戦士タイプの人もいるでしょうし、様々なプレッシャーをヒラリヒラリとかわすことのできる忍者タイプの人もいるでしょう。



 本物は、少し厳しい環境において長い時間をかけて、音も立てずに育っていくものです。
 ぜひとも「長く付き合ってもイイかな」と思える仕事を選ぶようおススメします。


 【 ほんものになる 】の話は、そんなメッセージをあなたに伝えています。このお話の薬が、あなたの心に効くことを願っています。


 
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 今日のお話が、あなたの旅路を慰め、力づけてくれますように。あなたの人生にFanタイムを!


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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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