FC2ブログ

記事一覧

教育のユニバーサルデザイン化 ~その2 ヒントはマクドナルドと成田空港にあり~

教育のユニバーサルデザイン化 ~その2 ヒントはマクドナルドと成田空港にあり~



授業のユニバーサルデザインについて再び考えてみました。

ユニバーサルデザインとは、『できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザイン』にすることです。


 ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。



 そんなUDなもの、マクドナルドで見つけました。
マックのサラダ 1 

 どこにUDがあるか分かりますか?

マックのサラダ2 


 答えはサラダでした。このサラダ、ドレッシングを混ぜるのが簡単なんですね。
 サラダのプラ容器に蓋が付いているのにお気づきのことと思います。ドレッシングの混ぜ方を紹介しますよ。

1. ドレッシングを入れる。
2. シャカシャカと振る。

 これでだけで上手に混ざります。試しに片手でやってみましたが、十分できます。
 「混ぜる」という行為を「振る」という行為に視点変換するだけで、ずいぶんと楽になります。

 教育の世界でも、ユニバーサルデザイン化が求められています。
 ハンディキャップがある子はもちろんのこと、能力にかかわらず、できるだけ多くの子が分かりやすく、幸せに学ぶことができる授業が求められているのです。

 ユニバーサルデザイン、成田空港第3ターミナルでも見つけました。
成田壁のサイン (2) 
 地面がペイントするという案内表示。不案内な人も確実に誘導されます。早足でもまず間違えることはないでしょう。文字を読まなくてもいいので、外国の方も助かっていると思います。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 ところで話はとびますが、筑波大学附属小学校の平川譲先生は、これからの体育学習に一つの提案をしています。
 それは、

用意を簡単に!授業を手軽に!


ということです。それは、つまり

①用意が簡単で、授業が手軽になるように工夫する。

②授業中の先生のマネジメント時間が減ります。すると…

③1時間に子どもが運動に関わる時間が増えます。だから…

④子どもの技能が高まり、意欲が向上する。
余裕が出た先生は、子どもに生き生きと関わる。また…

⑤先生は放課後に用意・準備にかけていた時間で授業の工夫ができるから…

⑥さらに進化した簡単・手軽な授業が手軽にできる、すると…②にもどる
ということです。これが実はUDかなり関連が深いと思うのです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 なぜ簡単・手軽な授業と授業のUD化が関係するのか?
 それは、両方ともに「シンプル化」するという手順を踏んでいるからです。
 例えば、先ほど例に出したサラダの例。あれも、これもとはならずに、「ドレッシングを混ぜる」という行為にポイントが絞られています。成田空港のサインも「距離と行き先」に情報が絞られています。
 多くを求めないからUD化される、つまり「多くの子が分かりやすく、幸せに学ぶことができることにつながる」のです。

 ところが授業を簡単手軽にというのは、言うのはまさに簡単手軽だが、実はすごく難しいのです。
 「シンプルにする」ということは、「安易」とは違います。また、難易度が低いというわけでもありません。誰もが「やってみたい」「できそうだ」と課題意識を持ちながらも、無駄なが無いということです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 でも、あえてこの難しい課題に挑戦してみたいと思います。
 シンプル化のポイントは二つあると考えています。

 一つ目は、表したいこと(動き、ルール、学び方など)を視覚的に表現する用具、場を使うということです。それは用具、もしくは場の生み出す訴えを最大限引き出すということです。言語情報や文字情報を減らすと言い換えてもよいでしょう。成田空港の地面のサインのように、一目で動きを生み出す表現のようにです。
成田壁のサイン (1) 
 これは、成田の国内線と国際線の分岐点の壁です。見た瞬間動きが生まれます。
リレーの様子

 これは千葉県習志野市立津田沼小学校で行われたリレーの様子です。折り返しのリレーなのですが、AチームとBチームが向かい合わせで対戦しています。ゴールは、真ん中にある紅白球を獲ったチームが勝ちです。何をすべきかが子どもにすぐ伝わりますし、勝敗が明確です。なによりも用意と準備がいりません。なにしろ向かい合わせにしただけですから。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 シンプル化のポイント、二つ目は、視点を大きく変えると言うことです。
 マクドナルドのサラダ容器は「混ぜる」という行為を「振る」という行為に変えました。
 成田空港のサインは、表示場所を「地面」に変えました。
 体育の学習でも見つけましたよ。
靴下ボール 
 名付けて靴下ボールです。これも津田沼小で見つけました。
 捕球動作の獲得が不十分な低学年児童がボールを扱うとき、ボールがコロコロ転がると玉ひろいに時間がかかってしまいます。またボールを踏んで起こる転倒などの危険も増えます。
 でも、靴下を被せるだけであまり転がらないボールに大変身です。

 しかし、子どもが投げると…適度に転がるんですね。でもすぐ止まります。
 この特徴を利用すると、「グラウンドの端まで何回で届くかな?」という学習課題を設定することができます。
ボールを「変える」という発想からボールに「被せる」という発想に視点を大きく変えた結果のシンプル化のよい例だと思います。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 旅の途中の見かけた小さなプラ容器と、地面のサインですが、大きな気づきを与えてくれました。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

ファンタイムへのアクセス数