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上手にご褒美を与える方法 ~科学的根拠に基づく子育て その1~

上手にご褒美を与える方法 ~科学的根拠に基づく子育て その1~



 教育経済学という学問ジャンルがあるのを知っていますか。
 教育経済学とは、「教育を経済学の理論や手法を用いて分析することを目的としている応用経済学の1分野」だそうで、他の教育分野との大きな違いは、「データ」に絶対的な信頼を置いているというところでしょう。

学力の経済学 中室牧子

 その教育経済学者である慶應義塾大学の中室牧子先生の著書、「学力」の経済学を読みました。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 その中で、ご褒美に関する内容があって、とても興味深いデータがあったので紹介します。

 ちなみに、みなさんはお子さんにご褒美をあげますか。僕は、あげてしまいます。
 「しまいます」と書いたのは、どこか後ろめたい所があるからなんです。

 この後は、僕と同様の「あげてしまう」派のみなさんへのメッセージとなったらうれしいです。

 中室先生によると…


 ご褒美で釣っても「よい」


 のだそうです。ヨカッタ―!

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 では、さっそく「上手なご褒美」の方法をしょうかいします。
 次のどちらのご褒美の方が、「よい結果に導く」と思いますか。

 「テストでいい点数をとったら、おもちゃを買ってあげる」
 「本を10冊よんだら、おもちゃを買ってあげる」

 どっちだと思いますか?

 答えは、「本をよんだら」の方です。

 ちなみに、ご褒美に関する実験がアメリカで小学2年生から中学3年生、3万5000人を対象として行われしっかりとしたデータが得られているそうです。だから、根拠はばっちりです。
 結論から言うと、

「テストでいい点数をとったら」の方は、学力の向上との関連は見いだせなかったそうです。

 つまり、こっちのご褒美のあげかたをしてはよくないということです。

 本を読む、計算問題を解く、トレーニングをする→インプット
 テストでいい点をとる、順位を上げる、よいタイムを出す→アウトプット

 つまり、「インプットに対するご褒美」は効果があるのです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 「アウトプットご褒美」はどうして成功しないのでしょうか。それは…

「結果」は、その子に「結果の出し方」を伝えてくれない

からです。
 「テストでいい点数をとりたい」と思っても、どう勉強したらよいかが分からない場合は、闇雲に取り組むか、あきらめてしまうかのどちらかになるでしょう。
 対して「本を読む」「計算を解く」といったインプットに対するご褒美は、子どもに明確なゴールを示唆してくれます。だから、結果とつながるのです。


 だから、「どう勉強したらよいか」ということをしっかりと理解している子どもや、「どう勉強したらよいか」を教えてくれる存在が周囲にいる子どもは、「アウトプットご褒美」も通用するそうです。
 例えば、兄弟がしっかりと面倒見てくれるとか、家庭教師がいるとか、学習教材がしっかりと整っているという場合はこちらでもよさそうですね。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 ご褒美は、「やり方」と「計画」を間違えなければ、たまに与える分には、子どものやる気を生み出すよいきっかけになるのではないでしょうか。
 特に「インプットご褒美」で勉強する方法を理解し、思い通りの結果を出せるように導くことは、悪くないことのように思います。
 一方、頼りすぎると「勉強する楽しさ」「努力する喜び」を失いかねません。
 子どものために、上手にご褒美を活用していこうと思います。
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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