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「将来のためよ」が子どもに通じない理由 ~科学的根拠に基づく子育て その2~

「将来のためよ」が子どもに通じない理由 ~科学的根拠に基づく子育て その2~



 教育経済学という学問ジャンルがあるのを知っていますか。
 教育経済学とは、「教育を経済学の理論や手法を用いて分析することを目的としている応用経済学の1分野」だそうで、他の教育分野との大きな違いは、「データ」に絶対的な信頼を置いているというところでしょう。

学力の経済学 中室牧子

 その教育経済学者である慶應義塾大学の中室牧子先生の著書、「学力」の経済学を読みました。
 前回は、「効果的なご褒美」にスポットを当ててお伝えしました。
 さて、今回は…

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 ところで、みなさんは大人になってから
「学生時代に、なんでもっと勉強しとかなかったんだろう」
「もっと欲を出して、いい大学を目指せばよかった」
ということを思ったことはありませんか。

 だから、思わず子どもに、

「今勉強しておけば、将来に必ず役に立つよ」
「将来のためよ、だから我慢してね」


というセリフを多くの保護者の方と先生方が言ったことがあるでしょう。

 このセリフ、経済学的に「正しい」という証拠がデータとしてあるそうです。
 端的に言うと、子どもの頃の勉強と、将来の収入は関係性が深いそうです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 しかーし!
 子どもはこの言葉を全く真剣に受け止めてくれません。まったく心動かされません。

 なぜでしょう?これは、多くの人間が持つ傾向なのだそうです。

  人間は「今」と「将来」を比べると、今目の前にある利益や満足の方を優先しがちな「選好(個人の好み)」をもっており、これを経済学の用語では「時間割引率が高い」という。


 例えるならばこういうことです。

 あなたのお子さんが毎年、5000円のお年玉をもらっているとします。

 3か月前の10月に、
「1月1日にお年玉をもらわないで、10日後の1月10日にもらうと、5500円になるよ」
とわれたら…

「わかった、10日間待つよ」と答える場合が多いのに対して、

 大晦日の12月31日に、
 「1月1日にお年玉をもらわないで、10日後の1月10日にもらうと、5500円になるよ」
 とわれたら…

「今すぐ欲しいから、5000円でいい!」と思わず言ってしまう。

ということです。


 遠い将来の利益より、近い将来の利益の方を思わず優先してしまうということですね。


 勉強をすれば、将来いいことがあるのは、子どもにもわかっているはずです。
 でも、近い将来の「誘惑」に負けてしまっているのですね。

 わかります、この気持。痛いほどに。

「ダイエットしなきゃ!」
「でも、この一口を止められない」

「ここでサボったら、月末絶対にひどい目に合う!」
「でも、寝てしまった」

 ね、ありますよね。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 でも、あきらめてはいけません。
 ここからが本題です。
 さあ、このどの性質を利用しましょう。

 おさらいです。
「人間は、遠い将来の利益より、近い将来の利益に弱い」
 ということが分かっています。

 だから…

 遠い将来の目標を、近い将来にしてしまいましょう。

「ここで、勉強をいっぱいすれば、将来のあなたのためになるのよ」
             ↓
「あなたの夢は、パイロットになることでしょう」
             ↓
「パイロットは、○○大学の出身が多いそうよ」
             ↓
「○○大学の行きたいなら、どうしたらいいと思う?」

             
 このように、遠い将来の目標を、少しずつ今に引き寄せていくのです。

 こんなライフプランシートをかいてみるのもいいでしょう。
ライフプランシート

参考書籍も結構ありますよ。
きみの夢プランニング

チャレンジ&参考にしていてはいかがですか?
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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