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「とりあえず、○○ということにしてみる」から始めませんか?



 附属札幌小学校 5年2組 学級便り35号を再編集し、再発行しました。
 委員会、学芸会の役を決める時、子どもたちの反応はいかがですか。
「なりたいものになれたから、がんばろう!」、これは当然の反応ですね。
「なりたいものになれなかったケド、がんばろう!」、と言う子はめったにいないけど、こういう子が増えて欲しいですよね。そんな子が増えるように書いた号です。



「とりあえず、○○ということにしてみる」から始めませんか?


 大分前の話です。どのくらい前かというと、先生がまだまだ若いころです。
 とても豪華な食事に恵まれる機会を得ました。どのくらい豪華かというと、スプーンやら、ナイフやらが「ずらー」っと何本も目の前に並んで、外国人のウェイターさんが料理を運んでくるような高級なレストランの食事というくらいです。
 
 先生は、もうこんな料理は一生食べることはないだろうということで、昼食を抜いてそのディナーに臨みました。一緒にテーブルを囲んだ仲間たちも同じ気持ちなのでしょう。いつになく会話が興奮していたのを覚えています。

 そこで、最初の料理が運ばれてきましたが…仲間の目は点になりました。
ゼリー寄せ
 目の前にあるのは、ワイングラスのような高い足の容器に、ゼリーが満たされていて、そのゼリーの上にエビが乗っていたのです。しかも、ゼリーは、茶色をしていて、甘いデザートではないのは明らかです。

 「何だこれは?」「ゼリーなのに、エビが入っているぞ」「茶色いゼリーって何味だ?」

 「ゼリーといえばオレンジゼリー」という概念しかない20代の若者が「ゼリー寄せ」なんてものを食べたことがあるはずもありません。
 食べてはみたものの、「しょっぱいゼリー」はどうしてもおいしいとは思えません。おいしくないのではありません。理解できなかったのです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 豪華な食事への過度の期待を裏切られた気持ちからか、なんとなく暗いムードが漂い始めました。
 その時、テーブルの一人が、こう言いました。

「とりあえず、この料理は美味しいということにしてみない?だって、高級店なんだから」

 それを聞いたテーブルの若者は、再び「しょっぱいゼリー」挑み始めました。

 するとどうでしょう。先ほどとは明らかに味が違う。
 一口一口、その回数が増えるたびに「とりあえず」の美味しさが、「確実」な美味しさに変化していきました。

 最終的にテーブルの「しょっぱいゼリー」は全てなくなっていました。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 「美味しくない」というような、自分が理解できないということは、自分の中にそれを理解する受け皿がないということです。
 ですから、そのもの自体に価値がないということでは決してないのです。
 
 「とりあえず、この料理は美味しいということにしてみる」という言葉に救われて、少しずつ先生はゼリー寄せのおいしさを理解していきました。

 「やりたくない」「おもしろくない」といった本意ではないことがキミたちの目の前に表れたらどうしますか?
 無理にでもチャレンジしてみることで、開かれる扉があるかもしれません。

「とりあえず、○○ということにしてみる」から始めませんか?
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プロフィール

山形昇平

Author:山形昇平
北海道教育大学附属札幌小学校にて11年間教員として勤務、その後北海道コンサドーレ札幌への出向を経て、現在は札幌市内教員です。学級便り・学校便りの発信、育児・子育てへの提案、運動・遊びのアイデア発信をしています。お子さんの成長の一助となれば幸いです。

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